自論①【作る(クリエイティブな)仕事】

たびたび私独自の考えを載せたいと思います。自論なので、勝手に考え、勝手に感じて、勝手に納得した自分なりの論説なので興味のある人はどうぞご覧ください。

美大への道のつづき

私は子供の頃スターウォーズやバック・トゥ・ザ・フューチャー、インディージョーンズなどスピルバーグやジョージ・ルーカスの映画を食い入るように見ていました。その当時、合成技術やCGが盛んに映像に使用されるようになり、歴史的に残るSF作品が多く排出された時代でした。そんなSFXの映像製作をしたところがILM(Industrial Light & Magic)というスタジオです。ここでは合成する映像に使われるミニュチュア(スターウォーズのデススターなど)が精巧に作られたり、クロマキー合成によるモーション・コントロールの撮影(例:アバターなど)が行われたり、その他多くの最新技術を生み出し多くのSF作品、ファンタジー作品などに貢献しています。

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高校生の頃、たまたまILMの特集をテレビで見ました。そこではスターウォーズ(エピソード4/新たなる希望)の中で主役のルークが帝国軍との戦いの中で戦闘機に乗ってデススターを破壊するために追撃し合うシーンがありますが、そのデススターはミニュチュアの模型で作られていたという内容でした。驚くことに、その製作に日本人スタッフが参加しており、細やかなパーツは割り箸や爪楊枝を使って作っていたと聞き、日本人としての繊細な技術力を誇りに感じたものでした。そのメイキングを見てから、尚一層映像の仕事に着きたくて美大志望の気持が高まりました。

やがて、美大に受かりグラフィックデザイン科の中で映像編集の勉強ができるコースを専攻しました。有名なCMディレクターやアートディレクターからいろいろなことを学ぶことが出来て私は幸せでした。学んでいくにつれ、CMの面白さを少しずつ知ることになり、15秒、もしくは30秒で作り出す映像世界にはまりました。

印象的な言葉

大学に入ってからバイトを始めました。そこである人に出会いました。その方は私よりいくつか上の方で、音楽系の専門学校に通っていました。将来音楽の仕事に就きたいという夢があると言ってました。彼は母子家庭で母親と2人暮らし。ある日、母親が倒れたと聞き突然バイトを辞めることになりました。毎日夜勤で入り、真面目に一生懸命働いていました。バイト先も有力な戦力がなくなると感じ、その引継ぎが大変そうでしたが、私はそれより彼の心情を考えると夢を諦める辛さが自分のことのようにこみ上げてきました。きっと専門学校でも真面目に勉強されてきたのではないかと思います。その彼がバイト最後の日たまたま一緒の勤務でしたので「お疲れ様でした」と声をかけると、彼は「あなたはどんな形でも良いから人生の内で“作る”ことを止めてはだめだよ」と言いました。この言葉が今でも心に残っています。その頃の私はこれからの人生で何があるかなんて分からず、夢や希望に満ち溢れていました。しかしその言葉を聞いて、現実の厳しさを痛感したのです。その時から“作る(クリエイティブ)”ということを考えるようになりました。

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絵コンテを描いていると気づいた

大学3年生になって専門課程を修習するようになり、私は待ちに待った「映像」の授業を選択しました。有名なCMディレクターの講師の授業はとても楽しくて、目を見開いて耳を象のように広げて授業を受けていました。CMを1本作る宿題が出ると、とにかく絵コンテを何枚も描きました。先生にチェックしてもらい、描き直し・・・を繰り返していると、ある時「CMって漫才やコントを作るみたい」と思うことがありました。もちろん私は芸人では無いので、漫才やコントの台本を作ったことはありませんが、視聴者(お客さん)が決められた時間内で何を心に残してくれるか、商品名(芸人名)なのか、映像のストーリー(ネタ)なのか、何かを記憶に残すために作り手はいろんな手法を駆使して1本の広告作品(漫才やコント)ができあがるのです。最後何オチにするのか、CMですと商品オチ(商品が最後出て終わる)が多いのですが、例えば子供の泣き顔のアップで終わる(その商品が無いから悲しいという心情を表現)ですとか、キャッチコピーで終わる(強調したい言葉で余韻を残す表現)などいろいろな方法があります。絵コンテを作っていく過程で、私はこの最後のシーンを決めてからストーリーを考えていました。これは漫才やコントを作る時も、最後どんなオチにするかを考えてネタを構成していくのではないかとふと思ったのです。そう考えていると、広告に関わる人間のみならず、どんな職種でもクリエイティブなことを必要とするのだなと思ったのです。仕事とは何かを生み出すことが必要で、どんな作業でもその要素はあると思います。

経営的な立場になってみて

弊社に就職してそろそろ15年ほど経ちます。今から10年前管理職に就き、管理者として必要なスキルや考え方を学んできました。(もちろん今でも未熟なので学び続けています)最近になって「経営もクリエイティブな仕事なのだ」と思うようになりました。人を育てて、会社という組織をベースアップしていくために、試行錯誤して自社オリジナルの企業スタイルを形成していきます。

クリエイティブとは「創造」

何もないところから生み出す作業はデザイン、芸術の世界だけのことではなく、お客様相手のサービス業も常にその販売方法を工夫、創作していきます。経営も顧客を創造していくため販売戦略を考えたり、商品開発をしていきます。

全てが作る(クリエイティブな)仕事

私たちが生きていくために必要な「働くということ」はつまり「作り出すこと」。

ということは、人は皆クリエイティブな毎日を過ごしているのだと思います。ですので、いかに人生を楽しくするかは「どれだけ多くの“作る(クリエイティブ)”ことをするか」となるのかなと思います。